「ボールペンリフィルアダプター」に思うこと [雑記]
久しぶりの更新になります。ネタがあんまりあるわけでもなく、ないわけでもなく。ただひたすらに怠惰にかまけてブログを放置していました。
これからは、少しずつ更新できるといいな、と考えております。そんな事をいいながら、すぐブログ更新をサボるのが目に見えるようですが、どうぞよろしくお願いします。
さて、本題です。「ボールペンリフィルアダプター」という商品をご存じでしょうか?
http://unus-product.com/itemcat/ballpointpen-refilladapter
上のサイトで紹介されています。簡単に言うと、海外製のボールペンの本体で、日本製の4Cリフィルの芯が使えるようになるよ、という商品です。ラミー用、パーカー用、モンブラン用、カランダッシュ用など、様々なリフィルが使えるようで、Amazonでもおおむね評価が高いようです。
しかし、気になるのがその宣伝。私が初めてこの商品を知ったのが、ペンハウスのメールだったような記憶がありますが、その利点の一つに「コストパフォーマンス」が上げられていました。
http://www.pen-house.net/detail/detail30706_001.html より
上記のものは、カランダッシュ用のもののスクショです。他の商品に関しても、同様の紹介がされています。
また、カランダッシュのボールペンについてネットを見ているとき、リフィルのコストを考えて、上記商品を導入した、というブログを見かけました。
ただ、「コストパフォーマンス」を宣伝文句にするのは、果たしていかがなものか、ということから、この記事を書いています。と言うのも、リフィル1本の代金を比較すると、確かに4Cが圧倒的に安いですが、筆記距離を全く考慮に入れていないからです。
4Cリフィル、特にゼブラの4Cジェル芯を使ったことがある方ならよく分かるでしょうが、4Cリフィルはあっという間になくなります。ゼブラのジェルはマッハでなくなっていました。リフィルも170円と決して安くないレベルなのですが。
そんな経験があるから、4Cリフィルが使えるアダプターのメリットとして「コストパフォーマンス」を歌うのは、正直なところ詐欺ではないか、と考えるわけです。
ただ、経験則だけでものをいっていても仕方ありません。こういうときは、データを示すのが一番です。インターネットで、「ボールペン 筆記距離」で検索すると、リフィルごとの筆記距離が書かれたサイトが見つかります。
http://ballpointpens.wiki.fc2.com/wiki/%E7%AD%86%E8%A8%98%E8%B7%9D%E9%9B%A2
ここをみて、本当にコスパが高いのか、比べてみようと思います。
まずは、ボールペンリフィルアダプターで使用する4Cリフィルから。個人的な好みのゼブラの4Cジェル芯と、多分多くに人が利用するであろうジェットストリームの4Cリフィルについて調べてみます。
ゼブラ ジェルリフィル
0.4(JSB—0.4芯) 筆記距離 約110m(Amazon価格 10本1382円)
0.5(JSB—0.5芯) 筆記距離 約80〜90m(Amazon価格 10本1382円)
三菱鉛筆
0.5(SXR200—0.5) 筆記距離 約300m(Amazon価格 176円)
0.7(SXR200—0.7) 筆記距離 約200m(Amazon価格 174円)
さて、それでは海外メーカーの純正リフィルの筆記距離です。
カランダッシュ
F,M,B 筆記距離 8000m
フィッシャー
F,M,B 筆記距離 約4570m
ラミー
M 筆記距離 約1500〜2000m
パーカー
クインクフロー 筆記距離 約3500m
モンブランは見つけられず。
さて、それでは同じ距離を書くとなると、リフィルが何本必要でいくらになるか計算してみましょう。
m
カランダッシュ(定価1188円)代わりに使うと……
JSB—0.4芯 約72本必要(約10000円)
JSB—0.5芯 約89本必要(約12000円)
SXR200—0.5 約26本必要(約4600円)
SXR200—0.7 約40本必要(約7000円)
フィッシャー(定価1080円)
JSB—0.4芯 約41本必要(約5700円)JSB—0.5芯 約50本必要(約7000円)
SXR200—0.5 約15本必要(約2640円)
SXR200—0.7 約27本必要(約4700円)
ラミー(定価540円)
JSB—0.4芯 約18本必要(約2500円)JSB—0.5芯 約22本必要(約3000円)
SXR200—0.5 約6本必要(約1000円)
SXR200—0.7 約10本必要(約1740円)
パーカー (定価864円)
JSB—0.4芯 約31本必要(約4300円)JSB—0.5芯 約38本必要(約9000円)
SXR200—0.5 約11本必要(約1900円)
SXR200—0.7 約17本必要(約2900円)
比較してみるとわかるように、コスパの面で見ると、純正リフィルの方が圧倒的に安く上がります。
つまり、このボールペンリフィルアダプターの価値は、日本製の書き味がよく、入手性もよいリフィルを使える、という部分しかないと考えます。
ただ、個人的な好みで言えば、カランダッシュのゴリアットやパーカーのクインクフローはある程度書き味がよいと感じます。むしろ、ジェットストリームは滑りすぎてコントロールがつけづらい、と感じて、ゴリアットやクインクフローの方が好ましいと考えているくらいです。他のボールペンは使ったことがないのでわかりません。
コスパを追求するなら、プラチナの4Cリフィルを使うという手があります。筆記距離約700mで定価108円。これなら、許容範囲ではないでしょうか。入手性の問題はあるかもしれませんが。
以上のことから、コスパを考えてボールペンリフィルアダプターを使うことはおすすめできない、というのが私の結論です。出先でボールペンのインクがなくなったとき〜のような意見も見かけましたが、最低でも1500m書けるので、そこまで心配は要らないような気がします。むしろ、ジェットストリームの4Cリフィルを使う方が、常にインク切れに怯えなくてはいけなくなる分、精神衛生上よくないのではないでしょうか。入手性は高いと言っても、コンビニで売っているわけでもないですし。
舶来製のボールペンのガワに国産の書き味がよいリフィルを使いたい、という目的で使うのが正解の商品でしょう。正直、売る側ももっと正確なところを伝えてほしいな、というところです。
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